ジカ熱(ジカウイルス感染症)のブラジルでの流行が加わり、21世紀型パンデミック(感染爆発)の火種が広がりを見せている。中でも危険性が高いのは新型インフルエンザだという。
最悪なのは重症度の高いH5N1型の新型化
──ジカ熱はわかっていることがまだ少ない?
ジカウイルスは、妊娠初期の妊婦の感染と新生児の小頭症の発症が関連すると指摘されている。ジカウイルス自体は70年近く前の1947年にウガンダのジカの森で発見され、最初の流行は2007年にミクロネシアのヤップ島で起こった。蚊が媒介し、ワクチンや特効薬はまだ開発されていない。
ウイルス感染症の一番の問題は、空気あるいは接触によりウイルスが伝染することだ。たとえばエボラウイルス病、MERS(中東呼吸器症候群)、SARS(重症急性呼吸器症候群)、高病原性鳥インフルエンザウイルスのH5N1型やH7N9型。高速大量輸送時代で、海外の発生地から時間を置かず日本に入ってきて、1週間以内には流行が始まり、1カ月もあれば地域流行になってしまう。一人の潜伏期感染者から1カ月で35万人が感染という専門家のシミュレーションもある。現実には同じ飛行機で感染者が一人だけということはないし、大流行に至りかねない。
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