希望出生率1.8の実現──。「一億総活躍社会」の大号令の下、2015年9月に打ち出されたアベノミクス「新・3本の矢」のうちの第2の矢だ。
一人の女性が一生のうちに何人の子どもを産むかを示す合計特殊出生率は現在、1.42(14年)。1.8は30年前の水準である。0.38の差を生む「産みたいけれど産めない」人を国が支援することで、人口減少に歯止めをかけるのが狙いだ。11月26日に発表された政府の「一億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策」でも、下表のように多数の子育て・女性支援策が並んだ。
その中で最大の柱となるのが、待機児童解消策だ。13~17年度末における保育の受け皿拡大について、従来計画の40万人分に10万人分を上乗せする。また、認可外の小規模保育所や企業に設置する保育所などへの支援を拡充し、多様な保育サービスの受け皿拡大を加速する計画だ。
待機児童ゼロのわな 深刻な「隠れ待機」問題
ただ、こうした取り組みに対しては注意も必要だ。下図のように、保育の受け皿拡大は進んでいるものの、15年4月時点の待機児童数は1年前に比べて1796人増と5年ぶりの増加に転じた。
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