南シナ海の米中の緊張関係は、日本のエネルギー安全保障にも大きな影を落とそうとしている。
現在、日本が輸入する原油は中東産が9割を占める。原油タンカーは、ペルシャ湾からホルムズ海峡を抜けマラッカ海峡を通過。南シナ海を抜けた後、日本に輸送される(図1)。
喫水制限のないロンボク海峡を平時から経由している一部の超大型タンカーを除き、日本の原油輸入の約8割がこのマラッカ海峡のシーレーン(海上交通路)を通っている。
ところが、米中緊張で日本政府が南シナ海を危険区域に指定すれば、南シナ海を通過するマラッカ海峡ルートのシーレーンは使えなくなる。
マラッカ海峡は石油タンカーのほか、コンテナ船も行き交い、世界の貿易量の約5割を占めるチョークポイント(要衝)。シーレーンの遮断により、日本の輸送網が途切れるリスクが浮上しているのだ。
原油価格が再び急騰? コンテナ船も輸送路遮断
マラッカ海峡ルートのシーレーンが遮断された場合、日本のエネルギー安全保障上、致命的となるのか。いつ起きてもおかしくないリスクシナリオを想定してみよう。
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