山口組がついに「分裂」 流動化する暴力団勢力図 六代目山口組と神戸山口組。原因はカネと人事
8月末、「六代目山口組」(司忍=本名・篠田建市=組長)から、13人の直系組長が蜂起・分裂し、新たに「神戸山口組」(井上邦雄=山健組=組長)を結成した。
分裂を引き起こした最大の原因はカネである。
山口組本家は通常、100人前後の直系組長から成り、司組長が毎月、直系組長たちから集める月会費が高額だった。直系組長は1人当たり月額115万円(ほかに積立金10万円)を納めるほか、半強制的にPETボトルの水や日用品を月50万~100万円分ほど買わされる。また毎年、直系組長が、中元には5000万円、歳暮には1億円を、分担して拠出している。
神戸山口組に移った直系組長によれば、毎月、山口組の本部には会費が7000万円ほど集まり、うち3000万円が司組長に渡っていたという。直系組長の本部にかかわる負担は、1人年約3000万円にも上ることになる。
が、暴力団の世界にも、“貧困”化は進んでいる。一般社会に寄生する存在だから、一般社会と同様、不況の影響をもろに受けるためだ。加えて暴力団排除条例にある、地域住民や企業による「利益供与の禁止」、金融機関による「暴力団排除条項」(暴力団員は口座を新規開設できない)などで、中堅以下の組員は経済的困窮がさらに増す。
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