三菱UFJ、モルガン・スタンレー 9000億円出資の真実 いま明かされる
2008年のリーマンショック時、モルガンに90億ドルの巨費を投じた三菱UFJフィナ ンシャル・グループ。 日米金融トップによる ユニークな合弁事業は 想定以上の成果をあげつつある。
リーマンショック後の2008年10月、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は米投資銀行モルガン・スタンレーに、金融機関としては当時過去最大の90億ドルを出資した。
「あのときは出資の機会を待つだけだった」
その経緯について、MUFGの平野信行社長は意外な話から語り始めた。MUFGはリーマンショックの3年近く前に極秘のプロジェクトチーム(PT)を立ち上げた。しかも、08年よりもそうとう早い時期にモルガンとの提携という構想をすでに描いていたというのだ。
「クロスボーダーM&A(合併・買収)などグローバルな企業のニーズが高まる中で、グローバル投資銀行業務にいかに対応するのか」
経営トップ直轄のPTの議論はこの一点に絞り込まれていた。選択肢は「自社によるグローバル展開」「投資銀行の買収」「海外の有力投資銀行との戦略的提携」の三つ。到達した結論は戦略的提携の道だった。自前主義をモットーとしてきた邦銀としては、前代未聞といっていい。
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