「ROE5%以上」「社外取締役は複数が望ましい」──。機関投資家にこう“助言”する機関が影響力を増している。 コーポレートガバナンスはニッポン株式会社の経営に福音をもたらすのか。
6月26日が集中日となった株主総会。不適切会計に揺れる東芝や、新型優先株に賛否両論の声が寄せられたトヨタ自動車もさることながら、今年の主役の一人は、議決権行使助言会社の米ISS(インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ)だろう。
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「資本生産性が低く(過去5期平均の自己資本利益率=ROEが5%を下回り)、かつ改善傾向にない企業の経営トップに反対を推奨する」
「2016年2月より、取締役会に複数名の社外取締役がいない企業の経営トップに反対を推奨する」
1月にISSが発表した日本向けの15年度版議決権行使助言基準は例年になく関心を集めた。特に、「これほど注目された基準は過去にない」と機関投資家の間で評判となったのが5%というROE基準だ。
ISSの石田猛行エグゼクティブ・ディレクターは「これまでは過激な、形だけで反対する助言会社というイメージを持たれていた。だが、今年はROEを助言基準に入れたことで国内投資家から歓迎されている」と話す。
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