有料会員限定

高齢者地方移住の奇策 現代版“姥捨(うばす)て山"か

拡大
縮小

2025年の介護危機を前に、創成会議は「高齢者の地方移住」をブチ上げたが…。

日本創成会議で「東京圏高齢化危機回避戦略」を大々的に発表した増田寛也座長(KPS)

現代版の“姥捨(うばす)て山”か──。6月4日、民間有識者から成る「日本創成会議」(座長・増田寛也元総務相)は、提言『東京圏高齢化危機回避戦略』を発表した。創成会議は2014年に『消滅可能性都市』という衝撃的な提言をしたばかりだ。

今回の提言によると、25年の東京圏(東京都と埼玉・神奈川・千葉の3県)では、75歳以上の後期高齢者が572万人に増大。入院需要は20%増、介護需要は50%増となり、約13万人が“介護難民”になる。東京圏の高い施設整備費や介護給付費は財政を圧迫するうえ、医療・介護人材の流入で地方消滅が加速するから、20年の東京五輪の前に戦略を持て、という。

2025年には東京圏で約13万人の高齢者が“介護難民”となる(撮影:尾形文繁)

同会議の解決策は、ICTやロボットを活用した「医療介護サービスの人材依存度引き下げ」や、大規模団地再生などによる「地域医療介護体制の整備と高齢者の集住化」。そのためには、「1都3県の連携や広域対応が不可欠」であり、併せて「東京圏の高齢者の地方移住を促進」すべき、とした(図表1)。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
Netflixが日本での「アニメ製作」を減らす事情
Netflixが日本での「アニメ製作」を減らす事情
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT
有料会員登録のご案内