欧州の移民問題は、現在も続く経済の不均衡に関する討論の中に根本的な欠陥があることを暴露した。豊かな国に生まれ育った幸福な私たちだけでなく、地球上のすべての人々に平等なチャンスが与えられるような、真に進歩的な支援は実現できないのだろうか。
先進国の思想的リーダーの多くは絶対的権利の精神性を信奉している。だがその範囲は一定の境界線で区切られる。自国内での権利の浸透が最も重要であり、市場が発展しつつある国や途上国に住む人々には関心を持たない。
先進国のミドルクラスに属する人々でも、世界的に見ればアッパークラスに属している。国家の停滞期を過ぎてもこのことを忘れてはならない。先進国に住む人の数は地球人口の約15%にすぎないが、先進国は世界の消費と資源使用の40%以上を占める。豊かな場所で税率を相対的に高くすることは、一国内の不平不満を緩和する方法として理にかなう。しかし、このやり方では途上国の深刻な貧困問題を解決できないだろう。
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