3月初めまでの1カ月間、英国ロンドンやエジンバラ、米国ニューヨークの投資家を訪問し、その投資スタンスをヒアリングしてきた。そこで感じたのは、海外投資家の日本株式への投資スタンスがじわりと高まってきたということだ。
特に印象深かったのが、ドイツの保険会社、アリアンツの資産運用部門であるアリアンツ・グローバル・インベスターズ(ロンドン支店)のファンドマネジャーの発言だ。彼とは旧知の間柄で、私が証券会社に所属していた1989年当時、いわゆる「ウォーターフロント銘柄」の買いを勧めたことがある。当時は、地価上昇が期待できる東京湾岸に、倉庫などの遊休地を多数保有する企業の株が注目されていた。
そのとき彼には恐ろしい剣幕で、「そんな材料では買わない。本気で買ってほしいなら業績見通しの優れた銘柄を持ってこい」と追い返されたものだ。しかし、その彼が今回の訪問では次のように熱弁した。
「日本株は変わった。官製相場というが、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は世界の年金が長年やってきた株式運用の水準に合わせているだけ。加えて今の日本企業は米国や欧州を上回る業績だ。しかも驚くほどの数の銘柄が株主還元の必要性に目覚め始めている。企業の自社株買い、企業業績、公的資金の買いという好環境を背景に、日経平均は今後1年で2万2000~2万5000円まではいくだろう」
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