株高が進む裏で、異常事態ともいえる現象が日本株市場で起きている。割安な銘柄を買って割高になった時点で売るという、投資の基本戦略が通用しにくくなっているのだ。
日本株に投資する国内外のヘッジファンドを調査しているマン投資顧問の佐藤素行シニアアナリストは、「昨年秋以降、日本株で株式ロング・ショート戦略を採るヘッジファンドの運用成績が振るわない」と話す。ロング・ショート戦略とは、株式の買い持ち(ロングポジション)とともに株式の売り持ち(ショートポジション)も行い、株価上昇時のみならず株価下落時にも利益獲得を狙う投資戦略だ。基本的には割安な株を買い持ち、割高な株を売り持ちする。
佐藤氏によると、日本株は銘柄間で業績や株価に格差が出る産業が多い。しかも証券アナリストが継続的に分析・調査している銘柄の比率が米欧より低いので、適正価格より割高・割安となっている銘柄が少なくない。そのため日本株市場は、本来であれば株式ロング・ショート戦略での収益機会が多い市場なのだが、それがうまくいっていないという。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら