リコール問題に収束が見えない中、基幹部品であるガス発生装置に新たな疑惑が浮上した。
バン! 爆弾でも落ちたかのような炸裂音がして、助手席前方のフロントガラスが割れ、ダッシュボードには砕けたガラス片が散らばった。エアバッグを膨らませるインフレータ(ガス発生装置)の金属容器が破裂し、最大20センチメートルほどの金属片が車内に転がっていた。
2014年11月6日、廃車ドットコム岐阜の工場で廃車作業中にエアバッグの異常破裂が起こった。03年製造のトヨタ自動車「ウィルサイファ」で、これまでリコール(回収・無償修理)対象となっていない車両だ。
廃車時にはフロントガラスの上からカバーを掛け、エアバッグの展開を行う。作業員はゴーグルとマスクをつけて5メートル離れて作業するため幸いケガ人は出なかったが、一つ間違えば大きな事故につながりかねなかった。廃車ドットコム岐阜を運営する近松商会の近松伸浩副社長は「生命を守るのがエアバッグなのに」とショックを隠せない。
岐阜で破裂したエアバッグとインフレータは、共にタカタ製だった。廃車ドットコム岐阜は、自動車のリサイクル業務を管理する自動車再資源化協力機構に至急連絡。破裂事故の情報は、国土交通省や自動車メーカーへもすぐに伝わった。
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