PTAの委員会制を廃止「ボランティア制」の現実味 大人が楽しく子どもに必要な活動を行う組織へ

本部役員の負担が大きかったこと、懇親会や研修会などの開催意義に疑問を抱いていたことなどから、この組織改革を機に、これまで加盟していた地域のPTA連合会も、校長の承認の下、21年をもって脱退したという。
教員、保護者、地域で子どもたちを育てていく
これまでのPTAのあり方や運営方法を文字どおり一新し、新しく生まれ変わった「日枝っ子友の会」。抜本的な改革を行ったため、初年度は、保護者と対話を重ねつつ学校主導で道筋をつけてきたという。
「PTA改革の案内や『日枝っ子友の会』の『こーでぃねーたー』募集の文書を作って配布したり、保護者へのメール連絡を行ったりなどの庶務的な活動、会費の管理などは学校で請け負い、主に私が担当してきました。初年度が終わった時点で改めて1年を振り返り、次年度に向けどのように舵を切っていくか、保護者と対話を重ねながら検討していく予定です。学校は今、教職員の働き方改革をはじめ、大きく変わろうとしています。PTAも一緒に変わり、教職員と保護者、地域が共に子どもたちを育てていく、よりよい環境をつくっていけたらと思います」という高木氏に、住田氏も続く。
「組織を変えていくのにはエネルギーが要るものです。だからこそ、『変えたい』という熱を持った教職員や保護者がいるときに変えていくことが大切です。組織改革の過渡期は、どうしても誰かに仕事が偏ってしまうことがありますが、『やりたい』という気持ちがある人は、自分のモチベーションを保ちながら向き合うことができるものです。そこを管理職がサポートしながら一緒に前に進んでいくことで、持続可能な組織になっていきます」
さらに、「学校生活においてはもちろん、『日枝っ子友の会』や地域活動などいろいろな場で、子どもたちの声をもっと聞くことが大切」だという。
「『日枝っ子友の会』の話し合いにも子どもを入れ、『こうしたほうがいい』『こんなことをやってみたい』など率直な意見に大人が耳を傾ける。いいものはどんどん広げ、改善の余地があるものは、都度修正しながらつねに変わり続けていくほうが形骸化を避けることができますし、結果的に成果は上がっていくと思います。
自分たちの学びの環境を子どもたち自身がつくっていけるような風土をつくることがさらなる成長につながりますし、子どもたちの声が保護者と教職員の新たな気づきを生み出し、よりよい保護者組織、よいよい学校づくりにつながっていくのだと思います」
(注記のない写真:日枝っ子友の会提供)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら