学生なら誰でも登録が可能だという点も興味深い。高校3年生の登録者もいるという。ゆくゆくは、大卒のキャリア向けにもサービス提供を広げていく。今後のビジョンについて、勝見氏はこう語る。
「国内の新卒市場で10%のシェアを取るだけでなく、欧米を中心にグローバルかつボーダーレスに事業を展開していきたい。また、日本はSDGsの専門部署をつくるだけで満足してしまう企業も少なくありません。本来なら会社全体としてサステイナビリティーへの貢献を考える必要があると思うので、問題意識を持った学生をもっと企業に送り込んで現状を変えたいです。そして、エシカル就活を企業にとって必要不可欠なものにすることで、企業のサステイナビリティー活動の底上げを図っていきたいと考えています」
今や10代にとってサステイナビリティーは「当たり前」
将来の社会を担う若い世代のために、「社会課題の解決」と「働くこと」のシームレス化にも、もっと力を入れたいという。現在、社会課題に取り組む学生団体と連携したり、早稲田、慶応、上智、ICUの各大学と協業してキャリアセミナーやイベントを共催したりしているが、「中高生の若者たちもサポートしたい」と勝見氏は言う。
実際、SDGsが大学だけでなく、幼保小中高の学びにおいても重視される中で、勝見氏の元には高校を中心に講演依頼が舞い込んでおり、10代の若者と接点を持つ機会が増えている。
「僕は今22歳ですが、18歳の感度は驚くほど高い。彼らにとってサステイナビリティーは『当たり前』の感覚になってきていると感じます。社会課題の解決を自分のパーパスとする若者が増えているので、そんな彼らをサポートできる事業にしていきたいです。
僕が初めて社会課題に触れたのが高校3年生の時。それが結果として自分の進路を大きく変えました。学校は、いわゆる『いい学校』を勧めるだけでなく、子どもたちの描く未来に寄り添い、留学なども含めいろいろな情報を提示して将来をサポートする場であってほしいと思います。個人的にも、教育や『個人の可能性の最大化』にとても興味がありますので、もし参考になるのであれば、ぜひ多くの学生の皆さんに僕の体験や事業のお話ができればと考えています」

Allesgood代表取締役CEO。1998年生まれ。高校時代に訪れた東南アジアで先進国と途上国の経済格差に関心を持ち、社会課題解決を志す。「トビタテ!留学JAPAN」に採用され、ドイツへビジネス留学し、途上国の特産品を活用した有機化粧品D2C事業をドイツ人と共同創業。帰国後、パタゴニア日本支社、ソフトバンク、ビズリーチなどでインターンを経験。既存の就活に対する疑問から起業。社会課題に取り組むエシカル企業と優秀な学生をつなげる社会課題版LinkedIn「エシカル就活」を運営。高千穂大学在学中
(文:國貞文隆、写真はすべてAllesgood提供)
制作:東洋経済education × ICT編集チーム
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