強気の月1100円、東武「オンラインサロン」の勝算 SL重連運転や“新型車両"で会員獲得なるか

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ツアーでは、SL重連が牽引する客車に「乗り鉄」できるほか、下今市・鬼怒川温泉両駅での「撮り鉄」、下今市駅転車台広場で東武鉄道社員によるSLの説明、とファンが喜ぶ要素を盛りだくさん用意した。浅草から下今市までの往復は、運用が少なくなったベテラン車両の「350型」に乗車、というこだわりも。9月9日の一般発売に先立ち、9月6日からファンクラブ向けの先行予約を開始した。

さらに、同じ10月には「新型車両お披露目会」を予定する。こちらも運転開始記念ツアーを催行するが、会員は先行申し込みができることになっている。この気になる“新型車両”については、まだ正式発表をしていない。が、勘のいいファンの間では2016年にJR四国から譲渡された12系客車を改造したSL用の車両ではないか、との“うわさ”がある。四国では夜行列車「ムーンライト高知・松山」で活躍したグリーン車だ。もっとも東武の広報担当者は「これまで以上にSLの空気を感じられる車両になるのでは……」と述べるにとどめ、正式発表へ向けて期待を持たせている。

有料イベントは得意分野

もともと、東武は鉄道ファン向けの有料イベントを得意としてきた。

200型りょうもう就役30周年記念ツアーでは車両解体場も訪問(記者撮影)
参加者はレアな車両解体作業を見学できた(記者撮影)

2020年12月6日には「SL大樹重連運行試乗会ツアー」を開催。毎年恒例の南栗橋車両管区でのファンフェスタはコロナ禍で中止となったが、同じ場所で参加者を絞ってファンサービスを実施した格好だ。同日には東武宇都宮線での定期運用がなくなった350型に乗れる「しもつけ臨時列車ツアー」も人気を集めた。

また、2021年3月27日開催の200型りょうもうの就役30周年記念企画は、200型の臨時列車で浅草を出発、「北館林車両解体場」(通称:北荷)の留置線に入り、解体予定の20000型車両の車内を見学した後、さらに普段200型が走らない日光線に入って南栗橋車両管区で車両撮影、という濃い内容の行程で、多くのファンを引き寄せた。今後、東武公式ファンクラブの会員を対象に、このような特別企画の先行予約ができるようになると想定される。

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