強気の月1100円、東武「オンラインサロン」の勝算 SL重連運転や“新型車両"で会員獲得なるか

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最近、著名人の間で流行しているオンラインサロン。鉄道会社が開設するのはめずらしい。同社での“旗振り役”、営業統括部日光・鬼怒川エリア営業推進部の小金井敦課長は「オンラインサロンという形式かどうかはともかく、東武鉄道を気に入っていただいている方向けのファンクラブ的なものを作ろうと以前から構想はあった」と明かす。

本格的な検討が始まったのはコロナ禍が深刻化した1年ほど前。「せっかく臨時列車を仕立てて車庫の見学ツアーやSL乗車ツアーをやろうとしても緊急事態宣言で催行できなくなり、実際に来てもらえなくなった。ファンクラブの中でオンラインツアーができないかと考えた」のがきっかけだ。

まずは「SL重連運転」

オンラインサロンの形式としたのは、利用者同士がコメントを共有でき、運営側からも動画や情報を提供できるといったメリットを考慮した。

小金井さんは「記念乗車券やツアーでの特典は有料でもご納得いただけるのでは、と考えた。逆に言えば『1100円でもよかったな』と納得してもらえるものを提供していかなければならない」と気を引き締める。

2020年12月にツアー参加者限定でお披露目したSLの重連運転(記者撮影)
迫力のSL重連は10月に鬼怒川線で見られる(記者撮影)

会員の特典は、イベント向けとオンライン向けの大きく2つに分けられそうだ。このうちイベント向けは、従来型の企画でメリットを享受できる仕組み。参加料金は一般と同様に支払わなくてはならないが、鉄道ファン向けツアーやイベントなどでは、会員向けの先行予約・優先入場の枠が用意される。

9月6日には早速、イベント向けの会員特典を打ち出した。

東武は10月1日に鬼怒川線の下今市―鬼怒川温泉間で2台の蒸気機関車(SL)による「SL大樹重連運転」を実施すると発表。東武トップツアーズが「乗り鉄&撮り鉄満喫ツアー」を催行する。

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