練馬区「教委・教員・保護者」の三位一体でGIGA加速 東京23区中最下位のPC整備率からの大躍進
「GEG Nerima」の活動の一環として、学習ソフトの講習を企画した際は、勤務校の校長が区内全校に呼びかけ教員約200名が参加。学校の垣根をこえ、学びの輪が広がっている。
「教育委員会に、現場のことを理解し的確なサポートをしてくださる“顔の見える”指導主事がいるのは非常に心強いと感じています。僕の役割は、自分自身が学びながら区内の教員に学びの場を設け、教員同士をつなぐこと。密に連携を取り、ボトムアップしながら『ICTってやってみると楽しいよね』『便利だよね』といったムードを練馬区全体に広げていきたいですね」
保護者は「まずはICTに関心を持つことから」
教員に続き、保護者もこの流れに追随する。
勤務する経済産業省で「未来の教室」プロジェクトを2年間担当し、ICT教育の重要性を熟知していた柴田氏は、「自分も何かできないだろうか」と考えていた。

東京都練馬区在住。経済産業省中小企業庁長官官房 総務課。2018年から20年、経済産業省「未来の教室」プロジェクトに従事。子どもが通う区内公立小学校でPTA会長を務める。Google for Education認定教育者レベル1・2取得
(撮影:尾形文繁)
「先生方は日々学校でICTと向き合っていますが、保護者はもう一歩遠い世界にいます。先生方が学んでいるのであれば、保護者も学ぼうと。専門知識を勉強するというより、まずは『子どもが家庭に持ち帰った端末をどう扱う?』など、保護者同士で不安や悩みを共有しながらオンラインでワイワイできる場を作ろうと思いました」
21年2月に開催したイベントには、区内の保護者約50名が参加。「タブレット1人1台の心配をポジティブに出し合う」というテーマで、それぞれの悩みや不安、意見をGoogle Jamboardに貼り付けて共有したり、ブレイクアウトルームに分かれて議論したりしたという。

「今後もテーマを変えながら、月に1度のペースで継続的に開催していく予定です。勤務先で『未来の教室』プロジェクトに携わっていた時、教育現場の新しいムーブメントは、教育委員会、二川先生のような現場のリーダー、それをサポートする校長先生(学校)の連携が取れているとうまく進む傾向にあることを実感しました。練馬区のICT教育は、ハード面もソフト面も、その環境が整いつつある。僕たち保護者がまずできることは、1人1台端末が行き届いた現状を正しく理解し、関心を持つこと。会を通じて保護者同士もつながり、さまざまな意見を共有していきたいと思います」
教育委員会、教員、保護者が三位一体となって走り出した練馬区のICT教育。今後の展開に目が離せない。
(注記のない写真はiStock)
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