練馬区「教委・教員・保護者」の三位一体でGIGA加速 東京23区中最下位のPC整備率からの大躍進

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ICT支援員の数も、昨年度の14人から28人に倍増。練馬区には小中学校合わせて97校があり、昨年度、支援員が担当校を訪問できたのは月に4回ほど。通知表の形を整えるなど校務支援が中心であったが、「今年度は週に約2回のペースで訪問できるため、より具体的なICT活用支援につながることが期待できます」

自らも動くことを忘れない原氏。「練馬区の指導主事は私を含め9名いるのですが、分担して各校を訪問してタブレット活用の成果や課題を聞き取ったり、授業見学しながらよい実践は全校に広め、課題があれば改善策を伝えたりするなど、草の根活動を続けていきたいです」と、力強く語る。

教員が共に学び、互いを高めるコミュニティー「GEG Nerima」

教育委員会の「熱」に呼応するように、区内の教員たちも立ち上がり、学び始めている。その中心にいるのが、練馬区立石神井台小学校主任教諭で同校のICT推進リーダーを務める二川佳祐氏だ。

練馬区立石神井台小学校 主任教諭
二川佳祐(ふたかわ・けいすけ)
東京学芸大学卒業後、府中市、武蔵野市の小学校教員を経て2020年4月より練馬区に勤務。「GEG Nerima」リーダー。教壇に上がる傍ら、「教育と社会の垣根をなくす」「今までの自分を超える」をビジョンとするコミュニティー「BeYondLabo」も運営。Google for Education認定教育者レベル1・2取得
(撮影:尾形文繁)

二川氏は21年1月、区内の小中学校の教員が共に学び、情報を交換し、お互いを高めるためのコミュニティー「Google 教育者グループ Nerima(以下、GEG Nerima)」を立ち上げた(21年5月20日現在、全国に57拠点あり、各グループはGEGリーダーにより運営されている)。

ほぼ同時期、教員に続き、保護者同士がオンライン上でGIGAスクール構想について学んだり意見交換を行うコミュニティーが発足。代表は、区内の保護者で小学校のPTA会長を務め、経済産業省に勤務する柴田寛文氏だ。

知人を介して知り合った二川氏と柴田氏。二川氏が「一緒にGoogleのツールを学べる教員仲間を区内で募りたい」と思っていた時に、先立って兵庫県姫路市でGEGを発足し活動していた「GEG Himeji」とつてがあった柴田氏を介して二川氏と「GEG Himeji」がつながり、「GEG Nerima」の発足に至ったという経緯がある。「GEG Nerima」のメンバーは、約50名。

「21年2月に、『GEG Himeji』の先生にも参加してもらいキックオフイベントを開催しました。『GEG Himeji』の活動を知り、練馬区の教員の皆さんもモチベーションが高まったようです。その後は、平日夕方の休憩時間を利用しGoogleスライド、春休みはGoogle ClassroomやGoogle フォームなどについて、オンラインでワークショップを行いました。ICTは、子どもたちのよりよい学びだけでなく、校務の効率化にもつながる便利なものです。勉強不足を隠れみのにして何もしないでいることほど残念なことはありません。まずはやってみる、触ってみる。GEGがそのきっかけの場となるよう、今後も気軽に短時間でできるワークショップやイベントを継続して企画していきたいと思います」

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事