野田クリスタル「独学でプログラミング」が凄い マヂカルラブリー野田、ゲーム好きが高じて…

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社会でデジタル化が急速に進行する中、新学習指導要領によって、小学校では2020年度からプログラミング教育が必修化、中学校でも21年度からプログラミングに関する内容が拡充される。しかし、教育の現場ではどのようにプログラミング教育を行えばいいのか、試行錯誤の最中だ。そんな中、独学でプログラミングを学び、ゲームまで作ってしまったお笑い芸人がいる。マヂカルラブリーの野田クリスタルさんだ。野田さんの話を通して、プログラミングの学びのヒントを探ってみた。

プログラミングの知識は、まったくなかった

2020年の「M-1グランプリ」で第16代王者に輝いたマヂカルラブリー。そのボケ担当である野田クリスタルさんはお笑い芸人のほかに、ゲームクリエーターとしての顔を持つ。「M-1」に先立って行われた「R-1ぐらんぷり」では、自作ゲームの実況中継をネタに優勝しているから、野田さんといえばゲームというイメージを持つ人も多いかもしれない。

そんな野田さんはどうやってプログラミングを学んだのか。まず興味を持ったきっかけについて次のように語ってくれた。

「お笑いライブで漫才以外に芸を披露する場があって、そのときゲームを出したら、盛り上がるんじゃないか。そう思って、プログラミングのやり方を調べ始めました。で、頑張って作っていたら、本当に作れてしまったんです(笑)」

R-1ぐらんぷりでは、自作ゲームの実況中継をネタにして優勝を果たした

当時、野田さんは25歳。芸人としての知名度はあったものの、ブレークしているというほど売れていたわけではなかったという。プログラミングに関する知識は、まったくなかった。

ただ、子どもの頃からゲームが大好きで、一時はネットゲームにはまりすぎて「ネトゲ廃人」を自覚することもあったという。高校時代からプロのお笑い芸人を志していたが、外向的な性格ではなく、どちらかといえば引きこもり体質。仕事が終わっても、無駄話をしているなら早くウチに帰ってゲームをしたいというタイプだった。

あくまでゲームは趣味だが、世界が驚くようなゲームを作ってみたいという夢はあった。もちろん現実を知れば、それは無理だとわかる。でも、ちょっとしたゲームなら、自分でもできるかもしれない。そう思って、とにかく取り組んでみたという。

プログラミングは、脳みそも育てていると実感する

「まずはどのプログラミング言語なら、自分の作りたいゲームを作れるのか。初心者がやっていく工程から調べ始め、その工程どおりに順を追って取り組むことから始めました」

野田さんが選んだプログラミング言語はHot Soup Processor(HSP:ホットスーププロセッサー)。このHSPは初心者でも自作でゲームが簡単に作れる開発環境を提供しているのが特徴だ。通常、こうしたプログラミング言語を学ぼうとすれば、関連書籍などを1冊購入して勉強するという人が多いかもしれないが、野田さんの場合、のちのち読んでみたものの、結局、参考書のようなものはほとんど使わなかったという。

「自分では勉強したつもりはないんです。プログラミングを学びたいからゲームを作るのではなく、ゲームを作るためにプログラミングをする。とにかくゲームを作るために、どうすればいいのか。その一心で、プログラミングを学び始めたのです。最初はネットでHSPを検索にかけて調べることから始めました。そして、わからないところはネットの質問板でしつこく聞く。いわば、プログラミングをする中で、疑問点や不明点をどうやって解決できるのか。ゲームを作っていく段階ごとに自分で調べていったんです」

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