オリンピアンが不条理を感じた高校生の才能 時機を間違えると「努力」は人を苦しめる
1978年広島県生まれ。スプリント種目の世界大会で日本人として初のメダル獲得者。男子400メートルハードルの日本記録保持者(2020年12月現在)。現在は人間理解のためのプラットフォーム為末大学(Tamesue Academy)の学長、アジアのアスリートを育成・支援する一般社団法人アスリートソサエティの代表理事を務める。新豊洲Brilliaランニングスタジアム館長。主な著作に『Winning Alone』(プレジデント社)、『走る哲学』(扶桑社)、『諦める力』(プレジデント社)など。
chapter.03より抜粋
才能に出会ったとき感じたこと
為末 最初は理不尽だって、不条理って言うんですかね。アメリカで練習していた時に、高校2年生ぐらいの男の子が同じグラウンドに現れて。バスケットか何かやっていて、あまりうまくなかったらしいんですけど。
足が速いっていうので来た子が、いきなりやった練習でハードル跳んだんですけど。ハードル自体は下手くそだったんですけど。タッチダウンって取るんですけど、それが僕よりも速かったんですよ。
ああいうのを見たときに、陸上も才能の競技なので、「あっ、こういうことがあるんだ」っていう、それは思いますね、不条理さを。
頂点に近くなっていくと、変えられるものは変えるんですね。最後に変えられないものの競争になると、これが不条理を覚えやすいので、その中でも、自分の持って生まれた、途中から、発想が勝つってところから、与えられた条件を全部使い切ると、どこまで行けるのかを見ようと。
それで見たあとは、もう満足じゃないかっていうふうに発想が切り替わっていくっていう、そんな感じでした。
【タイムテーブル】
00:11~ 100から400Hに転向した理由
01:08~ 努力は必要か?
03:09~ 才能に出会ったとき感じたこと
04:30~ できない自分との向き合い方
07:31~ モチベーションを維持する方法

















