驚きの事実、静岡県リニア文書に「捏造」あった 議事録に記載ないのに委員意見として文書作成

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県リニア環境保全連絡会議後、森下部会長に「塩坂氏の指摘を県専門部会で問題にして議論するのか」と尋ねたところ、「今後、検討する」と回答した。

ところが、12月8日の第7回有識者会議後の江口秀二国交省審議官の囲み取材で、静岡新聞記者が「静岡県が送った(塩坂氏の指摘を含む)リニア環境保全連絡会議の意見書にどう対応するのか」と聞いた。ここで初めて、県が部会長である森下氏にも諮らず、同会議の意見書を12月3日付で国に送ったことが明らかになった。

この意見書は県のホームページで読むことができるが、大きな問題が3点ある。

まず、県専門部会の委員が発言していないことが、委員の意見として記載されていることだ。

12月15日の県議会環境委員会で、意見書に記載の塩坂氏の指摘部分に関する質疑があり、塩坂氏が発言していない内容が記載されていることが判明した。

県のリニア会議でJR東海の資料に大変な矛盾があると指摘した塩坂邦雄氏(左、筆者撮影)

塩坂氏の発言は「薬液注入による止水ができないと思われるので、その議論が必要である」というものであるが、県の文書は「薬液注入による止水ができなく、先進坑で水を抜くことになり、山梨県側に流水してしまう」と変わっていたのだ。

当日の議事録を調べても、「先進坑で水を抜くことになり、山梨県側に流水してしまう」という発言は見当たらない。つまり、県は、塩坂氏が会議で発言をしていない意見を盛り込んでしまったわけだ。

県は会議後にあらためて塩坂氏に聴取したと言うが、森下部会長らは了解しておらず、塩坂氏個人の意見を県リニア環境保全連絡会議で合意した意見として国に送ってしまったのだ。

仮定だらけの飛躍した結論

第2に、塩坂氏の「薬液注入による止水ができなくなる」という発言が問題だ。トンネル専門家の安井氏は「止水できる」と反論しているのだから、塩坂氏は薬液注入等で止水できない根拠を示さなければ科学者としての意見ではない。

しかも、その根拠のはっきりしない「薬液注入による止水ができなくなる」という仮定を前提に、「先進坑で水を抜くことができない」という新たな仮定を導き出し、その結果、大量湧水に対応できなくなることまで仮定して、「山梨県側へ流水する」という結論を得ている。仮定だらけの飛躍した結論だ。

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