AIと「共働きできる人」が必要なこれだけの理由 どうやる?来るべきAI失職時代のキャリア教育

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驚くほどの速さで社会に浸透してきているAI。この流れは加速するといわれており、あと5年もすれば現在の生活が一変している可能性がある。そんなAIによって、なくなる仕事がたくさんあるという。来るべきAI失職時代をどう生き抜くのか。『文系AI人材になる』(東洋経済新報社)の著者である野口竜司氏に、これからのキャリア教育について聞いた。

AIでなくなる職業と、新たに生まれる職業

クルマ、家電、コールセンター、ホテルの受付など、AIを活用した商品、サービスが次々と誕生している。その勢いはとどまることなく、今後はむしろ加速するといわれている。

一方、AIによって数年後にはなくなると予測されている職業がある。自分自身を「文系AI人材」と称するZOZOテクノロジーズの野口竜司氏は「AIでなくなる職業は、単純作業を繰り返す、工夫の余地がない仕事」と説明する。

野口竜司(のぐち・りゅうじ)
ZOZOテクノロジーズ VP of AI driven business
立命館大学政策科学部卒業。「文系AI人材」として、さまざまなAIプロジェクトを推進。AIビジネス推進や企業のAIネイティブ化に力を入れる。大学在学中に京都発ITベンチャーに参画。子会社社長や取締役として、レコメンド・ビッグデータ・AI・海外コマースなどの分野で新規事業を立ち上げ、その後ZOZOグループに。大企業やスタートアップ向けのAI研修やAI推進アドバイザリーも提供
(提供:野口氏)

逆に、AIの登場によって新たに生まれる職業があるという。「AIを作る仕事」と「AIを使う仕事」だ。

「AIは、ルール化やマニュアル化できる仕事が得意です。現段階では、感情やコンテクストを読み取ることは苦手で、マニュアル以上のことをやって付加価値を生み出すのは不得手です。例えば、接客業はすべてAIに置き換えられると思われがちですが、必ずしもそうではありません。ホテルや旅館の受付における予約業務はAIに置き換えられますが、気配りや心遣いといった工夫の余地があるおもてなしの部分は人間にしかできません。一口に接客といっても、仕事を分解してみると、AIが受け持つ業務には偏りが生じます」

「AIを作る仕事」とは、まさにAIエンジニアやデータサイエンティストといった理系のAI専門人材が活躍する分野。「AIを使う仕事」は、理系のAI専門人材がやる仕事以外のすべての仕事を指す。人の仕事をAIが補助したり、AIが人の仕事を補助あるいは拡張する、いわば「人間とAI」が「共働き」で行うさまざまな業務、職業だ。文系人材が広く活躍できる分野であり、今後すべての人にAIと共に働く力が求められるといっても過言ではないだろう。

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