勉強時間が約4割減「学力差拡大」の深刻事情 コロナが貧困家庭に与えたダブルパンチとは

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「日本の貧困政策は脆弱です。しかも日本の貧困の特徴は、かつて1億総中流といわれた時代があって貧困家庭の少ない時期があったせいか、『大変だから助けてください』と言えない状況にあります。貧困や生活保護家庭に対するバッシングを見てもわかるとおり、言うとたたかれるからです。

日本人の気質なのか、努力すればどうにかなるといった根性論的なものがあって、当事者も自分の問題だから自分で頑張らないといけないと思ってしまうところがあります。貧困率は、13.9%から13.5%へと改善しましたが、実質的に厳しい子は減っていません。しかも貧困に陥りやすく、一度落ちると上がりにくい、放置していると貧困層は確実に増えます」(渡辺氏)

日本では、児童手当や医療費など、中学生でいろいろな支援が終わってしまう。支援を受けて高校に行けるかどうかで生涯賃金が大きく変わるのにだ。少子化で高齢者を支える子どもが減る中、一人ひとりが貧困の子どもを放置することがいずれ自分に返ってくる。国民全体の問題として子どもの貧困を考えるべきではないだろうか。

学校で「調理実習があるからエプロンと三角巾を持ってくるように」と言われて、経済的な理由で用意ができない家庭がある。「何で忘れたのか?」と先生が尋ねても、ほとんどの子は親を気遣って理由を話さないという。コンパス、書道道具……と忘れ物が続いたとき、怒らずに、何かが起きているのかもしれないーー、そう気づくだけでも、少しずつ実情は変わっていくのではないだろうか。

(注記のない写真はiStock)

制作:東洋経済education × ICT編集チーム

東洋経済education × ICT

小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。

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