GIGAスクール構想の進捗状況が明らかに 急がれる、学びを保障する環境整備

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

各教科での1人1台時代の活用シーンとは

文部科学省では、整備された端末の活用方法についても情報提供を行っている。その中で、学校における新型コロナウイルス感染症の感染者発生などによる臨時休業といった緊急時、児童生徒が端末を家庭に持ち帰ることについても、前例にとらわれず、また、抑制的な思考に陥ることなく、前向きに検討することが不可欠だとしている。

通常授業におけるICTの効果的な活用事例も示されている。例えば国語。小学校ならば、タブレット端末を使って児童がスピーチする様子を録画し、声の大きさや抑揚など、表現方法の工夫につなげる。中学校や高等学校では、古典の紀行文について登場人物が旅した経路やその土地の特色を端末で調べることで古典への興味や関心を喚起することができる。

外国語ならば、端末を通じて一人ひとりが海外の子どもたちと英語で交流することが可能。ライティングの自動添削機能、スピーキングの音声認識機能を使うことでアウトプットの質と量を大幅に高めることができる。校外、そして海外とつながる本物のコミュニケーションによって児童生徒の発信力向上が期待される。

動画の記録機能は、さまざまな教科で活用できるはずだ。体育では、ゲームの様子を撮影した動画を見返すことによって次の作戦を考える。書道でも、模範動画を確認することで、より工夫した表現を促されるだろう。理科でも観察や実験の記録動画は児童生徒の分析や考察に寄与する。限られた学習時間を効率的に運用するためにも、ICTが果たしうる役割は少なくない。

文部科学省では、緊急時における端末の持ち帰りについて、前例にとらわれることなく、という姿勢の重要性に言及しているが、ほかにも、意欲的に取り組む教職員の創意工夫の試みを最大限に生かす姿勢を挙げている。実際、こうした姿勢は、1人1台端末環境が整った際にも、問われているといえるだろう。(写真:iStock)

制作:東洋経済education × ICTコンテンツチーム

東洋経済education × ICT

小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事