初調査、関東私鉄「乗換がない駅」客数ベスト10 関東大手私鉄を全チェック、意外な結果が判明
大手私鉄などの鉄道会社がホームページで公開している駅の乗降客数データの数字をもとに、乗り降りする人数が多い駅をランキングした記事をよく目にする。だが、上位に入る駅は新宿、渋谷、池袋といったターミナル駅ばかり。「小田急の乗降客数1位は新宿だ」と書かれたところで正直驚きはない。
そこで、関東の大手私鉄9社の「乗換駅を除外した」乗降客の多い駅ベスト10を調査してみた。乗換駅を除外しているということは、その駅が目的となっているということだ。そこからどんなものが見えてくるのかを探ってみた。
小田急の1位は本厚木
まずは小田急から。1位は本厚木で、その周辺の愛甲石田、伊勢原もベスト10に入っている。2位は成城学園前、3位経堂、5位向ヶ丘遊園。この結果を見ると、小田急のダイヤ改正の意図が見えてくる。
順位 駅名 乗降客数
1 本厚木 15万1791人
2 成城学園前 8万8692人
3 経堂 8万2540人
4 鶴川 6万8992人
5 向ヶ丘遊園 6万7384人
6 千歳船橋 6万0683人
7 小田急相模原 5万7496人
8 愛甲石田 5万4602人
9 伊勢原 5万1705人
10 祖師谷大蔵 5万1085人
2004年以前、日中運転されていた電車は特急ロマンスカー、急行、各停が中心だった。ロマンスカーは特急料金がかかるため、成城学園前、向ヶ丘遊園、本厚木、愛甲石田、伊勢原へ向かう多くの利用者は急行を利用していた。
その後、梅ヶ丘―和泉多摩川間の複々線化が完了し、電車の運行本数が増やせる状況になると、急行に利用者が集中することを避けるためか、成城学園前、向ヶ丘遊園を通過する快速急行を設定した。さらに急行の一部を経堂に停車させることになった。以降、快速急行の運行本数は右肩上がりで増え、経堂に停車する急行も増加。複々線化工事が完了した現在、新宿駅発の平日日中の運転本数は快速急行6本、急行6本となり、本厚木、愛甲石田、伊勢原へ向かう人は快速急行を利用、成城学園前、向ヶ丘遊園へ向かう人は急行を利用と、分散化を図るダイヤを組めるようになった。
また急行の経堂停車も2004年に平日の日中と土休日の全列車から、現在は平日の18〜21時に運転される下り以外はすべて停車するようになり、乗換駅以外の乗降客数3位の経堂は「急行停車駅」と呼んでも差し支えない駅となった。
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