「迷惑系YouTuber」逮捕されても反省しない理由 山口県知事も激怒「へずまりゅう」とは何者か

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迷惑行為を行うYouTuberは彼だけではない。2015年には、東京都でじゃがりこにつまようじを入れたり、万引きする動画をYouTubeに投稿、その後逃走を図り、「全力逃走中」などの動画を投稿していた19歳の少年が偽計業務妨害罪で逮捕。

2017年には、三重県で27歳の男がヤマト運輸の営業所でチェーンソーを使って従業員を脅す動画をYouTubeに投稿。暴力行為等処罰法違反容疑で逮捕。

2018年には、福井市で覚せい剤に見せかけた白い粉末入りのビニール袋を交番前の歩道に落として走り去り、警察官に追跡させる動画をYouTubeに投稿した32歳の男が、偽計業務妨害罪で逮捕。

2019年には、渋谷のスクランブル交差点にベッドを置いて寝る動画をYouTubeに投稿したチャンネル登録者数130万人を超えるジョーが、京都簡易裁判所から道路交通法違反で4万5000円の略式命令を出されている。

このような動画は、人騒がせなことをして動画の再生数を増やし、有名になったり、お金を儲けたりしたいと考えて投稿されていることが多い。実際、つまようじ事件の少年は、逮捕後に「報道のおかげで有名になれて嬉しかった」「発言力を増すためには英雄になるしかなかった」と述べており、これが動機と見られている。

彼らが「迷惑動画」を投稿し続ける理由

YouTuberの世界はレッドオーシャンであり、ただ投稿しただけではまず動画を見てもらえない。そもそもYouTubeは発信するコンテンツがなければいけないが、そのようなものがない人も多い。そこで、安易に投稿できる迷惑系に飛びつくYouTuberが現れる。迷惑系動画であれば炎上し、それによって容易に注目が集まるためだ。

最近増えている「不謹慎系YouTuber」も同様だ。「志村けんの息子です」「木村花の元カレです」などの動画を見たことがあるかもしれない。不謹慎系YouTuberとは、このように、話題となっている事件の犯人や亡くなった人の家族を自称する動画を投稿するYouTuberを指す。アフィリエイト収入目的に急激に検索数が増えた話題を取り上げる、トレンドブログの動画版とも言うべきものだ。

不謹慎系動画も、発信するものがなくても投稿でき、簡単に注目してもらえる点は同様だ。不謹慎系を持ちネタとしているYouTuberもいるほど。こういうYouTuberを面白がってチャンネル登録したり視聴するユーザーも一定数いる。

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