容赦なき路線廃止・減便、窮地の関西国際空港

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 関空は07年に第2滑走路を開業したが、目標発着回数には程遠く、1兆円を超える有利子負債、年間250億円以上の支払利息が重くのしかかる。空港問題に詳しい日本大学の加藤一誠教授は「関空に飛んだら得するような思い切ったインセンティブがないと無理。運賃差で利用者を誘導するしかない」と指摘する。

2010年の羽田国際化がヤマ

本当のヤマ場はこれからだ。2010年に成田国際空港の滑走路が延伸され、羽田空港の第4滑走路が開業すれば、首都圏の国際線発着枠は年間8万回増える。羽田・成田間の国内際乗り換えを面倒に思って関空を利用していた地方の利用者も、国内線の約6割が集中する羽田から海外に飛べるようになるため、これで関空の唯一の利点は完全に奪われることになる。

先を見越したかのように、関空では日系航空会社が欧米路線から完全撤退するほか、米系会社も減便を加速。だが一方で、各社とも羽田からの海外就航は強く望んでいる。

こうした関空に対し、国交省が昨年末に公表した空港政策に注目が集まったが、「関空の経営基盤の確立に向けて引き続き検討する」という表現にとどまり、問題は先送りされた。誰もが将来展望を描けない関西の巨大空港は行き場を失っている。


2009年3月期は会社予想

(冨岡 耕 =週刊東洋経済)

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