チェーンソー、知っていそうで知らない正体 ホラー映画のように武器としては使えない

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鉄のドアなどを切るのは普通のチェーンソーでは無理だ。レスキューソーと呼ばれる、硬質のブレードを使った専用のチェーンソーが使われる。

エンジン式と電気式

「現在チェーンソーは、エンジン式と電気式の2種類が販売されています。バッテリーやモーターの進化とともに、電気式の販売が伸びています」

エンジン式は、小さいもので排気量20CC、大きいもので100CCくらいまでの商品がある。大きいものは小型バイクのエンジンを持つくらいの重量感がある。

ツーサイクルツーストローク・エンジンで、ガソリンとオイルを混ぜて入れて使用する。ホームセンターなどでは2万~4万円くらいの価格で売られている。プロ仕様は10万円くらいの価格で部品の精度の質が良く、威力や安定感が高くなる。

林業のほうは大きさ別に2~3種類使い分けて作業をすることが多いという。

「年々排出ガスの規制が厳しくなっています。基準をクリアするために、どうしてもパワーが犠牲になる場合が多いです。現在、エンジン式のチェーンソーの開発では、低排出ガス化がテーマになっています。具体的には、『エンジンの改良』『有害物質処理装置の取り付け』『電子制御化』になります」

電気式は、充電電池(バッテリー)式と、コンセントから有線で電気を供給するタイプに分けられる。

「電気式はパワーの点ではどうしてもエンジン式に劣ります。メリットは、エンジン式に比べて音が静かなこと。オイル混合ガソリンを用意する必要がないことがあげられます」

町中での作業では、音はなるべく静かなほうがよい。エンジン式より、電気式が選ばれることが多い。

コンセントを指して使うタイプは電源を確保する必要があるため屋外での作業には向いていないが、庭の木の剪定などに使うには十分だ。

バッテリー式は屋外での作業もできるが、充電が切れてしまうと使えなくなってしまう。約30分の使用でバッテリーは切れる。充電には時間がかかるし、代わりのバッテリーを購入するにはおカネがかかる。

ガソリン式も20~30分の使用でガス欠になるが、ガソリンを補充すればすぐに使える。

「チェーンソーの売り上げを見ると、裾野の多い一般家庭向けのマシンが最も売れています。電気式は安いものでは1万円くらいからありますから、手軽に購入することができますね」

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