小田急、次の野望「新宿駅西口」再開発の行方 西武新宿駅を含む大型プロジェクトに発展へ
小田急小田原線(新宿―小田原間)が開業したのは1927年のことだ。戦後、小田急は新宿駅西口の開発に本腰を入れ、1967年に小田急百貨店が入居する駅ビル、1984年に新宿ミロードが入居するビルを相次いで完成させた。さらに2000年に小田急ハルクが現在入居する東京建物新宿ビルを取得。
2011年にはかつて富士重工業(現・SUBARU)が本社を構えていた「新宿スバルビル」を買収するなど、新宿駅西口で自社物件を増やしてきた。再開発の期が熟するのを待っていたのだろう。2015年、ついに小田急は、中期経営計画で新宿西口再開発の検討を始めると発表した。
小田急の思い描く将来像
新宿駅西口を出て真っすぐ歩くと、そこは超高層ビルが立ち並ぶ新宿副都心。1971年竣工・開業の京王プラザホテルを皮切りに、1991年に東京都の新庁舎が完成した。最近でも2008年にモード学園コクーンタワー、2011年に住友不動産新宿グランドタワーが竣工するなど、副都心の街並みはつねにその様相を変えている。
新宿副都心は人気のオフィス街ではあるものの、ショッピングやエンターテインメントの面で魅力は乏しい。それらの一翼を担う新宿駅西口には、ショッピング面では小田急、京王などの百貨店やヨドバシカメラなどの家電量販店が集積しているが、建物自体は1960年代に造られたものが多く、発展性に乏しい。そこで、再開発によって新宿駅西口の装いを一新し、新宿副都心の玄関口としての機能を高める――。おそらく、これが小田急の描く新宿駅西口の将来像だ。
同じく新宿駅西口に土地・建物を持つJR東日本(東日本旅客鉄道)、京王電鉄、東京メトロ(東京地下鉄)といった鉄道事業者や明治安田生命保険、ヨドバシカメラにとっても再開発はビジネスチャンスとなる。
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