ネット通販、小さな会社でも失敗しない鉄則 「ブルーオーシャンを狙えばいい」は幻想だ
戦術2:単品リピート通販モデルで成功できる商品の選択
単品リピート通販モデルとは、お試し商品から、定期購入へと引き上げていくビジネスモデルのことを指します。それも総合通販と違って1つの商品を定期的に購入してもらうことで利益を積み重ねていくため、小さな会社にこそ適した手法であり自社商品の場合が多いのが特徴です。
商品は「何度も購入が可能なもの」「何度も購入する必要性があるもの」である必要があります。具体的に言うと、一度購入したら数年は買わなくてもよくなる家具などではなく、必然的に食品や日用品、化粧品、文具、雑貨などの消耗品に限られてきます。
総合通販とは、クリスマスやこどもの日などのシーズンごとの特売品があったり、カテゴリーやジャンルに分類されたりしている販売サイトです。こうしたサイトでは、総合的に個々の顧客の売り上げを引き上げていくものとなり、大企業が採用する総合通販モデルになります。
戦術3:UVP×ストーリーで唯一無二の存在に
必要なのは、UVP(Unique Value Proposition・独自の価値提案)です。マーケティング用語で「独自の売りや強み」と訳されるUSP(Unique Selling Proposition)と比べると、耳慣れない言葉かもしれません。
USPにはSelling(販売上の)という言葉が入っているとおり、特に商品を売るとき(顧客からすれば買うとき)に、顧客がほかの類似商品と比較して、「この商品のほうが、この部分が優れているから買おう!」と決める要素のことを指しています。
一方、UVPは顧客に対して「自社独自の価値」を提案すること、あるいは、その独自の価値そのもののことを指します。実はこの「UVP」こそが、小さい会社に必要な戦術なのです。UVPにストーリーを組み合わせることで決してほかがまねることのできない、その会社ならではの唯一無二の独自性という「強烈な印象」を消費者に与えることが可能となります。
レッドオーシャンをむしろ逆手にとって
USPはあくまで比較対象(競合商品)が存在する相対比較です。そのため、USPとして訴求するものは、どうしても「有効成分○○を100g配合!」とか、「業界最安値」などと、商品の特徴や価格、性能などの表面的な内容に偏ります。「A社の商品とB社の商品で比較した結果、A社のほうが有効成分の含有量が多く、しかも安いから、A社の商品を買おう」という具合になるわけです。しかし、こうした相対比較では、小さな会社が大手企業に勝つことはほぼ不可能でしょう。
このように、小さな会社でも、単品リピート通販で成功できる商品の選択をし、その商品に対して自社のUVPとストーリーを掛け合わせることで、競合がひしめき合うレッドオーシャンをむしろ逆手にとって大きな成功を収めることが可能となるのです。ネット通販のみならず、士業やなんらかのサービスを提供する個人事業主など、インターネットで情報発信や集客している人や会社が、レッドオーシャンを攻めていくうえでも有効な考え方です。
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