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「高市首相が進むべき道は"小泉構造改革2.0"だ」「日本維新の会が求める改革をテコにして、自民党自身が変わるきっかけをつかむことになる」

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かつて昭和の高度成長期には、大企業とその下部構造である中小企業の経営者の利害を代表することで、国民の多くを包摂することができたかもしれない。

しかし、そのモデルはとっくに崩壊し、自民党も公明党も、現代の労働者の多数派である非正規や中小企業の従業員、ギグワーカーを包摂する力を失っている。これは立憲民主党も同様。古い利権構造、旧来の支持基盤に引っ張られて、時代の変化から取り残されつつある。

自民党の本質は「与党党」、変革の好機が来た

ーー旧来のしがらみが改革を阻んでいる構造があった、と。

その通り。しかし、これから急速に変わっていくと思う。ここで思い起こす必要があるのが、自民党の本質だ。自民党は反共、反社会主義という点を除くと、特定のイデオロギー性を持つ政党というより、「与党であり続けること」を目的とする「与党党」といえる。日本社会党に対抗して1955年に保守合同をしたときから、それこそが自民党の絶対的な目標だ。

だからこそ、時代に合わせて極めてプラグマティックに自己変革を遂げてきた歴史がある。高度成長期以降は分配政党の色合いを強め、革新的な政策も取り込んでいった。

10月21日夜、記者会見を行う高市早苗首相(写真:ブルームバーグ)

その「与党党」が今、大きな変革のチャンスを迎えている。日本維新の会との連携は、単なる数合わせではない。維新は、自民党が抱えるような古い組織や利権とのしがらみがない。

この連携は、自民党が「与党であり続ける」ために、古い体質を脱ぎ捨て、国民の多数派の声に向き合うための絶好のレバレッジとなる。つまり、維新が求める改革をテコにして、自民党自身が変わるきっかけをつかむことになるのではないか。

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