オムロンに300億円出資したカーライル出身社長の「ファンド流」経営改革、苦境の制御機器事業に対する特効薬となるか

キーエンスは営業・開発に特化したファブレス型の高収益企業で、営業部隊が顧客に直接売り込むスタイル。代理店などに支払う手数料もかからないうえ、ニーズを細やかに聞き取りやすい。
対して、オムロンは世界中に代理店を抱えている。代理店方式には顧客との距離が広がるというデメリットがある。オムロン自身も認識している問題で、辻永順太社長は「顧客起点のマネジメント、行動が薄れていた」と昨年12月の東洋経済のインタビューで明らかにしている。
オムロンに追い打ちをかけているのが制御機器事業の大口顧客、中国の景気悪化だ。半導体関連やEV(電気自動車)電池向け設備投資が急速に低下しており、24年3月期の営業利益が前期比65%減、純利益が同89%減で着地する主因となった。
これを受け、オムロンは22年度から24年度までの3年間の中期経営計画を中断した。24年4月から今年の9月末までを構造改革期間と位置づけ、さまざまな改善策に取り組んできた。最大のテーマは、「制御機器事業の早急な立て直し」だ。業績悪化の要因を分析し、タスクフォースを立ち上げた。



















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