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アメリカの農業は「米中貿易戦争」に耐えられるか。大豆の最大輸出先=中国向けがゼロに

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滞在中に10人ほどの農家に価格低迷の理由を尋ねた。異口同音に語ったのが、中国との貿易戦争による影響だ。

トランプ氏は今年、大統領に就任するやいなや貿易赤字額に応じた関税を各国に発動した。これに唯一、報復に出たのが中国だ。両大国間の貿易戦争が勃発した。

中国は年間1億トンを買い入れる世界最大の大豆輸入国だ。輸入した大豆は大半が家畜や養殖魚の飼料となり、豚肉や乳製品になって中国の食卓を飾ってきた。その中国がアメリカへの対抗策として打ち出したのが大豆輸入の停止だ。

アメリカは年間1億2000万トンの大豆を生産し、4割を輸出に振り向ける。農産物輸出額の中で大豆は最も多く、例年その半分が中国市場に向けられてきた。例外が2018年、第1次トランプ政権で勃発した米中貿易戦争で中国が大豆の輸入を減らしたときだ(下図)。

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