【総まとめ】<フィッシング・Infostealer>個人や企業の抜本対策は?ログインは「ブックマークか公式アプリ」、ダミー認証情報で脅威を事前想定

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そのため、自社サービスに関してどのような情報が漏洩しているかを確認し、その情報によって生じる不正アクセスシナリオを想定し、あらかじめ対策を打つ必要があります。犯罪者が知ろうとしている、もしくはすでに知られている情報からどのような脅威シナリオが発生しうるかを考え、事前に対処を検討するというアプローチは、フィッシング対策と同様の考え方です。

webサービス提供者の対策
(画像:マクニカ提供)

セキュリティ対策は、個人や組織の資産を守る「砦」

さて、ここまで4本の記事を通じて、証券不正アクセス事案をもとに、最近の脅威動向とその対策をお伝えしてきました。

本事案では、サイバー攻撃・サイバー犯罪が我々にとって非常に身近になっていることが改めて示されたようにも思えますが、その脅威は今回の証券不正アクセスだけではありません。

個人を狙ったITを通じた詐欺や金銭の窃取や、企業に対する高度なサイバー攻撃も、この数年間で非常に深刻な被害状況となっています。今回はその一端が注目を集めたにすぎず、警戒が必要な領域は、ITの社会的な普及とともに大きく広がっています。

セキュリティ対策はコストや手間につながってしまうこともありますが、一方で、私たちのビジネス・個人情報・大事な資産を守る砦でもあります。現在の厳しい状況に備えるため、各個人や組織がセキュリティの重要性を見直し、対策を進めていくきっかけになればと願っています。

またサイバー攻撃・サイバー犯罪は、意外にも同じような手口が繰り返し広く使われます。その手口を知るだけでも、自身がそれに対峙したときに気づくことができ、有効な対策となるため、本記事のような動向解説はぜひ継続して情報収集いただくことをおすすめします。

過去の記事一覧
1回目:“サイバー犯罪者の発明” 証券会社の被害に見る「今までなかったアプローチ」とは?高まる脅威と不正アクセス事件が“対岸の火事ではない”理由
2回目:ログイン前でも手遅れ…「入力しただけで」犯罪者に情報窃取される手口も?多要素認証では安心できない!被害者続出の“フィッシング手法3選”
3回目:【衝撃】430万台が犠牲に!あなたの個人情報を“根こそぎ”奪う「Infostealer」の手口、「私はロボットではありません」の悪用も…私用PCにも注意

 

東洋経済Tech×サイバーセキュリティでは、サイバー攻撃、セキュリティーの最新動向、事業継続を可能にするために必要な情報をお届けしています。
瀬治山 豊 マクニカ セキュリティ研究センター センター長補佐

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せじやま ゆたか / Yutaka Sejiyama

セキュリティ研究センターに所属。脆弱性の影響範囲や日本企業を狙うランサムウェア関連の脅威動向をリサーチし、SNS、カンファレンス、セミナー、自社ブログ等でセキュリティリサーチャーとして情報発信を行っている。また、マクニカグループにおけるCSIRT担当者としても活動し、グローバルでのインシデント予防と対処に従事。

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