こうした政権への不満は政党支持の構図にも大きな変化をもたらした。主要政党への好感度では与党・民進党が32.7%(先月比7.8ポイント減)、野党・国民党が32.7%(同6.4ポイント増)、民衆党が33.2%(同5.5ポイント増)と横一線の状況となった。
罷免が不成立に終わったことについて、台湾市民の69.7%がこの結果を「頼総統と民進党の失敗」と認識する一方で、61.1%が「台湾民主主義の成熟の表れ」と肯定的に評価しており、複雑な民意がうかがえる。台湾社会では今回の大罷免運動は民進党と頼政権の失敗と見なされることとなった。
実際に罷免運動を主導してきたのは、自発的に集まった多くの市民団体だった。しかし、これらの罷免団体は運動の中で結束し、「抗中保台/反共護台」(中国に対抗/中国共産党に反対して、台湾を守る)、「罷免舔共立委(媚中派の立法委員をリコールしよう)」などといったスローガンで戦った。
リコール制度の趣旨とはそぐわない争点だった
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