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〈閑散期の戦略〉子供服「ナルミヤ」が自社キャラ復活で新宿ルミネが大混雑・・・きっかけは新入社員が描いた絵、「平成レトロ」で新たな収益源を開拓へ

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従来の子供とは違う大人を集客できる背景には、1990年代から2000年代にかけて築いた子供服のブランドとキャラクターの基盤があったからだ。

ナルミヤは小学校高学年のジュニアと呼ぶ年齢層のアパレル市場を開拓してきた歴史を持つ。子供服と大人服の間に位置する10代前後のジュニア市場はそれ以前まではなかったといわれている。だが、ナルミヤはメゾピアノジュニアやエンジェルブルーといったブランドを作り、カラフルでファッション性が高いアパレルを次々と展開していった。

栄光と挫折、そして再発見

ナルミヤのブランドは10代向けのファッション誌にも掲載され、当時、子供時代を送った女性にとっては憧れの的だった。だが、2000年代後半はH&Mといった海外のファストファッションが日本に上陸。こうした新興勢力が子供服のニーズを取り込み、従来の人気から陰りを見せた。

2000年代にはファッション雑誌にブランドの服が多く掲載され、小学校高学年の女児に人気を集めていた。写真は当時の様子(写真:ナルミヤ・インターナショナル)

ナルミヤの経営も悪化し、エンジェルブルーと、同じく主力ブランドの1つだったデイジーラヴァーズは2010年の秋冬シーズンを最後に百貨店ブランドとして終了。ライセンスアウトした。

メゾピアノジュニアなど一部のブランドは現在も存続している。それでも、かつてのようにキャラクターを使うことはなくなっていた。社員の間でもキャラクターは過去のもので、話題に上ることがなかった。

そんな中、キャラクターを自社のビジネスに活用できると気づくことになったのが、2019年にナルミヤに入社した新入社員がきっかけだった。

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