有料会員限定

LNGは「クリーンエネルギー」なのか? アメリカの専門家が環境負荷の深刻度を指摘。「IEAは過小評価、移行エネルギーになりえない」

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小

──LNGタンカーからのメタンの排出についてはどうでしょうか。

現在、主流となっている、天然ガスを燃料とした2ストロークまたは4ストロークの最新のエンジンの場合、エンジン自体の効率は良く、CO2発生量は少ない。他方、メタンは完全燃焼できず、2~4%が大気中に出てしまう。これは「メタンスリップ」と呼ばれる問題だ。旧来の重油焚きのタンカーでは起こらない。メタンを含む温室効果ガスの総排出量では、最新のタンカーのほうが、旧来の蒸気動力のタンカーよりも多い。

──国際エネルギー機関(IEA)は6月にLNGサプライチェーンにおける温室効果ガス排出量に関する報告書を発表しました。同報告書ではハワース教授の研究内容についても紹介されています。そのうえでIEAは、ライフサイクルベースで見た場合、温室効果ガスの総排出量は石炭のそれよりも少ないという見解を示しています。ハワース教授の研究成果と、IEAの報告書のどこに見解の相違の原因があるのでしょうか。

次ページIEAとは時間軸のとらえ方でも大きな違い
関連記事
トピックボードAD