
17のゴールと169のターゲットからなるSDGs(持続可能な開発目標)が2015年に国連で採択されてから10年が過ぎた。この間に文部科学省は、持続可能な社会づくりの担い手の育成を通じて、SDGsのすべてのゴールの達成に寄与するために「ESD(持続可能な開発のための教育)」を推進してきたが、大学側はどう対応してきたのか。
「欧州では研究者を中心に制定過程から情報を集め、採択されるやいなや中身の重さと重要性について分析を始めた」と振り返るのは、CSR(企業の社会的責任)/SDGコンサルタントで千葉商科大学客員教授の笹谷秀光氏だ。
対する日本のアカデミアは英語圏でないこともありSDGsの内容や意義、教育への反映に関する議論の広がりに時間を要したものの、関連する論文や書籍がそろい始め今日に至る。政府もSDGs推進本部を立ち上げ、全閣僚が政策との結び付けを始め、文科省も推進役の一角としてESDを提唱してきた。先進的に取り組む大学も出始め、17年の政府主催の第1回ジャパンSDGsアワードでは、金沢工業大学が推進副本部長(内閣官房長官)賞、岡山大学がパートナーシップ賞(特別賞)を受賞した。
環境、社会、経済のバランスを考え、透明性を担保したうえで情報を発信すべきSDGsに関する取り組みは、大学教育と親和性が高い。全学部・学科が関係すると理解し、関連講座は増え、取り組みや講義をまとめた書籍の出版、ウェブサイトでの情報発信、統合報告書の公表も珍しくない。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら