――度重なる値上げが実施される中、飲料メーカーは、商品がスーパーやドラッグストアの陳列棚から撤去される事態を避けるため、小売店にリベート(販売奨励金)を支払い店頭価格を引き下げています。
メーカーは商品を小売店に並べてもらわないといけない。商品はしっかり数量を上げることで育っていくし、数量シェアが落ちすぎると顧客接点が減ってブランドが死ぬ可能性もある。
だから、「小売りの陳列棚から落とされるぐらいだったらここまで(リベートを)突っ込む」とか、そういうせめぎ合いがある。しかも、消費者が低価格なPBに流れているので、価格で対応せざるを得ない部分もある。
「数量だけを考えては飯が食えない」
――業界は安売りの慣習から抜け出せないのでしょうか。
とんでもないコスト増に襲われ、おそらく各メーカーが限界だと思う。売り上げが下がる怖さはあるが、勇気を持って業界全体で飲料の価格を上げられたら一番いい。でもこれが結構難しい。競争もあるし、小売り側からのプレッシャーもある。

当社では、場合によっては小売店へ「そのお値段でしたら(納品は)結構です」としっかり言う。社内でも以前は売り上げさえ取れれば評価されていたが、今はしっかり利益を追いかける方針だ。かつては「シェアでコカ・コーラを抜け」みたいな時代もあったが、数量だけを考えていてはもう飯が食えない。
――PBに対するサントリー商品の優位性は何でしょうか。
価格ではもう戦えない。
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