トランプの「欧州侮辱」ダメージは修復不可能 欧州は自国防衛をどうするか再考すべきだ

過去80年にわたり米欧の関係を定義づけてきた信頼ある協力関係に米国はもはや関心を持っていない。先月、欧州はそう理解するに至った。同盟国を侮辱し、ウクライナを圧迫し、欧州の内政に介入したことで、欧州の最重要パートナーにしてウクライナの最も熱烈な支援国だった米国は自らを敵国のような存在に変えた。
米国の戦略変更
2月のミュンヘン安全保障会議で鮮明となったのは、北大西洋条約機構(NATO)の防衛費負担をめぐる米国の不満をこれ以上無視できないという現実だ。防衛費だけが問題なのではない。米国の関心がアジア(と米国自ら)にシフトする中、欧州は政治的、軍事的な指導力に開いた巨大な穴を埋めなくてはならない状況にある。
米国の戦略変更のスケールは、ウクライナとの向き合い方にはっきりと表れている。米国は窮地のウクライナをゆすって、重要な鉱物資源の支配権を明け渡させようとしている。ウクライナ支援とロシア制裁で欧州の同盟国と緊密に連携したバイデン政権とは打って変わって、トランプ政権は欧州の頭越しに交渉を進めている。
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