トランプ再来で市場が描く為替の"未来予想図" インフレ誘発政策が米利下げを阻んで「円安」へ
実際、次期トランプ政権で予想される各種政策は、基本的にインフレ誘発的な性格を有するものが多い。にもかかわらず、トランプ氏は金融・通貨政策に関して低金利やドル安への志向を吐露するという支離滅裂な行動を繰り返すことが予想される。
表に示すように、総需要を高める拡張的な財政政策や輸入単価を引き上げる通商政策、労働需給を逼迫させる移民政策などが相まって、第2次トランプ政権下でのアメリカの一般物価はどうしても過熱しやすいはずだ。
トランプ2.0はインフレ2.0
もちろん、実際の施策がどうなるかは来年1月以降にならないとわからないが、現時点では「トランプ2.0はインフレ2.0」と解釈しておくのが無難ではある。アメリカの通貨・金融政策はこれらの政策を受けて事後的に決まるに過ぎない。
結局、トランプ氏が低金利やドル安を希望しても、実体経済がそれを許すかどうかは別次元の話という点が重要なのである。
トランプ氏の希望するポリシーミックスが実現すれば、米金利とドルの相互連関的な上昇は発生しやすく、ハト派路線を歩み始めたばかりのFRBは隘路にはまりやすくなる。
極端なシナリオとして「不況下の物価高(スタグフレーション)」にも警戒を要する状況であり、米金利高・ドル高を織り込む金融市場の反応は妥当と言える。
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