トマ・ピケティの『21世紀の資本』は2014年に世界的なセンセーションを巻き起こし、格差をめぐる議論を作り変えた。所得再分配を支える政治的な声はほぼ完全に国内の関心に集中しているというピケティの指摘は正しい。だが、資本主義は必然的に格差の拡大につながるとする、その中心的な主張は、ベトナムの貧農が直面している状況と、フランスの中流市民が送っているまずまず快適な暮らしを比較対象にすると成立しなくなる。
現実には、過去40年でアジアと中・東欧の国々が貿易をエンジンにして経済的に台頭した結果、国をまたぐ格差は人類史上で最も劇的といってもいいほどの縮小を見せているからだ。
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