電子書籍の向かう先--主役不在で離陸せず、シャープは専用端末撤退…

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 市場は盛り上がらないが、それでも新規参入組が現れた。楽天は8月10日に電子書籍サービス「Raboo(ラブー)」を開始し、パナソニックが対応端末を発売。2社連合の誕生かと思いきや、楽天は「年内にはスマートフォンやタブレットに加え、ソニーの端末にも対応したい」と言う。それもそのはず。ソニーとパナソニック、楽天、紀伊国屋書店の4社は、提携関係にある。将来的には相互接続を可能にし、各社で購入した電子書籍をネット上の同じ本棚で保管できる体制を目指している。

「サービスや端末が混在したままでは利用者が増えない」(紀伊国屋書店の筆保洋一郎常務)。現在は出版、印刷、書店に加えて、通信、流通、電機メーカーなど異業種参入が相次ぎ、サービスは乱立ぎみ。顧客の囲い込みにも限界があり、使い勝手を向上して市場拡大につなげようと各社は試行錯誤する。

巨人アマゾンは本当に上陸するのか

楽天とソニーは書籍の仕入れ元にブックリスタを使っており、近い関係にある。ブックリスタはソニーとKDDI、朝日新聞社、凸版印刷の合弁で、8月末時点で5万コンテンツを扱う電子書籍に特化した取次だ。同社の今野敏博社長は、携帯電話向け音楽配信事業のレコチョクを手掛けた経験を持ち、「現在の電子書籍の状況は、音楽配信の立ち上げ時期とそっくり」と指摘する。

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