ラーメン「背脂多め有料騒動」からわかる5つの事 ラーメン屋で「炎上」が相次ぐのには理由がある

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その5「居合わせた客たちの『連帯感』が強い」

ここまで書いてきて、ふと「なぜカレー店や牛丼店では、そこまで炎上が起きないのか」と感じた。価格帯としては大きく変わらず、店舗もそれなりにあるにもかかわらず、どうして……と考えたとき、客同士がある種の「連帯感」を持つかがポイントではと思い至った。

ラーメンネタが「強火」で炎上する理由

人気ラーメン店の前には、きょうも「待ってでも食べたい」という客が、長蛇の列をなしている。筆者は行列が苦手だが、待てば待つほど、目指す1杯への期待感が高まることくらいは想像できる。

「どんなダシだろう」「麺のゆで方は、固めかバリカタか」「味玉の食券を買うべきか」……などと思いをめぐらせるにつれ、並んでいる客たちは、いつしか同じ方向性のビジョンを共有しているのではないか。

店内に入ってからも、滞在時間は比較的長い。麺をゆで、丼を温め、スープを注ぐ。ようやくカウンターに差し出された丼と、「1対1で向き合うぞ!」と意気込んだときに、もし客と店員がモメだしたら、「ちょっと待ってよ。オレの数時間返してくれ」となっても当然だろう。

気づかぬうちに、私たちには「ラーメンを食べるためのムードづくり」がインプットされているのかもしれない。客同士がルールを守ることで、「最高の1杯」へのステップを踏んでいく。その途中で手順を乱されたくない……などと仮定すると、ネット上でこれだけ「強火」で炎上するのも納得と言える。炎上が多発することは、それほどまでにラーメンが愛されている証拠でもあるのだ。

城戸 譲 ネットメディア研究家・コラムニスト・炎上ウォッチャー

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きど・ゆずる / Yuzuru Kido

1988年、東京都杉並区生まれ。日本大学法学部新聞学科を卒業後、ジェイ・キャストへ新卒入社。地域情報サイト「Jタウンネット」編集長、総合ニュースサイト「J-CASTニュース」副編集長などを経て、2022年秋に独立。現在は東洋経済オンラインのほか、ねとらぼ、ダイヤモンド・オンライン等でコラム、取材記事を執筆。炎上ウォッチャーとして「週刊プレイボーイ」や「週刊SPA!」でコメント。その他、ABEMA「ABEMA Prime」「ABEMA的ニュースショー」などネット番組、TOKYO FM/JFN「ONE MORNING」水曜レギュラー(2019.5-2020.3)、bayfm「POWER BAY MORNING」などラジオ番組にも出演。政治経済からエンタメ、炎上ネタまで、幅広くネットウォッチしている。
X(旧ツイッター):@zurukid
公式サイト:https://zuru.org/

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