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日本への投資を重視、再エネや蓄電分野に魅力 カーライルのインフラ投資幹部に脱炭素戦略を聞く

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世界規模で脱炭素化に向けた投資への機運が高まる中、世界の投資家はどう動いているのか。アメリカ大手投資会社カーライル幹部にインタビューした。

カーライルの投資先であるエネウィル社の大分県杵築ソーラーウェイ(提供:カーライル)
アメリカでインフレ抑制法、日本でGX(グリーントランスフォーメーション)関連法が制定され、世界規模でカーボンニュートラル(脱炭素化)に向けた投資への機運が高まっている。
そうした中で、世界の投資家はどう動いているのか。アメリカ大手投資会社カーライルのインフラストラクチャーグループで会長を務めるマッキー・トール氏と、同グループで最高投資責任者(CIO)を務めるプージャ・ゴヤル氏に、脱炭素化に向けた投資動向や戦略についてインタビューした。


――カーライルにとって、脱炭素化ビジネスの重要性は。

トール われわれは世界有数の投資会社として、2023年3月末現在、3810億ドルの運用資産を擁している。重要な投資分野としては、プライベート・エクイティ、プライベート・クレジット、不動産、インフラストラクチャーおよびセカンダリーなどがある。

このうち私が責任者を務めるインフラグループは、2022年にインフラおよびエネルギーに関するプラットフォーム(投資組織)を統合したもので、2023年3月末現在、運用資産額は約150億ドルにのぼる。そのうち、再生可能エネルギー資産への投資決定額は全世界で20億ドル以上を占め、35件以上の投資先がある。

再エネ投資を含むインフラ分野は戦略的に重要な分野であり、投資ポートフォリオを増やして成長を図っている。

ゴヤル これまで約20年にわたって再エネ分野に投資を継続してきた。2022年には、エネルギートランジションのための専門のプラットフォームを設けた。投資分野としては、太陽光や風力発電のほか、蓄電池やマイクログリッド、電気自動車(EV)やEV充電、再エネから製造される脱炭素燃料であるグリーンアンモニアなどが含まれる。

――具体的な投資実績は?

ゴヤル ニューヨーク州およびニュージャージー州にまたがるJ.F.ケネディ空港の再開発計画に参画している。この計画では、ターミナル新設に際してマイクログリッドを構築し、電力系統ネットワークから独立した運営を可能にする。ターミナルの屋上に太陽光パネルを敷き詰めるとともに、大規模な燃料電池や蓄電池を導入することで、停電時でも空港の運営を100%賄えるようにする。

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