「2035年温暖化ガス6割減が必要」国連報告の意味 破局を回避するために私たちがすべきこと
2022年は、日本全国で観測史上最も高い平均気温を記録した年だった。6月には季節外れの猛暑に見舞われ、同月としては初めて最高気温が40度を超えた。また、年末には記録的な大雪となり、マイカーがあちこちで立ち往生した。気候変動によるこうした異常気象は、もはや日常の光景になりつつある。
世界を見渡すと、すでに手に負えない甚大な被害が頻発している。
2022年夏のパキスタンの大洪水では国土の3分の1が水没した。フィリピンの超大型台風や南アフリカ共和国の大雨など、世界各地でこれまでにない規模の自然災害が発生している。
ダムや防潮堤を築くといった「適応策」と呼ばれる対策だけでは、もはやこうした災害への対応は不可能だ。「損失と損害」と呼ばれる開発途上国の被害について、これまで温室効果ガスを大量に排出してきた先進国が補償すべきだといった論調も世界規模で高まっている。
国連報告書が新たな目標を提示
こうした中、国連の「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)は3月20日に「第6次評価報告書・統合報告書・政策決定者向けの要約」と題した最新の報告書を発表した。同報告書では、2030年の「温室効果ガス排出半減」に続く削減目標として2035年に世界全体で60%削減(2019年比)が必要であることが新たに示された。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら