日銀・植田新体制が今、政策変更を行う理由はない トップが変わっただけ、金融市場は期待しすぎ
安定した物価目標2%は下回る見通し
――4月の金融政策決定会合では政策の現状維持が決まりました。
3月に欧米では金融機関が相次いで破綻するなど金融不安があった。すでにFRB(連邦準備制度理事会)など中央銀行が一時的に毎日行っていたドル供給オペを週1回にするなど、国際金融危機まで波及するものではないとみられ、不安は後退している。ただ、それで日銀がすぐに政策修正できるか、または変更を急ぐかといえば距離がある。
現時点では日銀や多くのエコノミストも日本でのインフレが落ち着いて、日銀が掲げる安定した物価目標である2%を下回ると見通している。2%を安定して達成できる状況が見えた時や将来のインフレの抑制が必要だから金融を引き締めないといけない時に、政策修正を行う必要が生まれる。今の段階では政策修正や変更をする整合的な理由が見当たらない。
――植田氏が新総裁になることが決まってからイールドカーブ・コントロール(YCC、長短金利操作)政策の撤廃を期待する声も金融市場では高まりました。
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