ロシアのウクライナ侵攻、プーチン大統領と習近平国家主席によるモスクワでの中ロ首脳会談、中国の仲介によるイランとサウジアラビアの外交的和解──。こうした動きを受けて、米国の世界覇権、中でもドルの覇権が脅威にさらされるといった議論が改めて熱を帯びることとなった。
BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)はイランやサウジなどに陣営を広げることを検討しているが、規模を拡大し、影響力を増した「BRICSプラス」は、はたしてドルの地位を脅かすものとなるのだろうか。
世界金融システムにおけるドルの地位が危うくなるといった議論は目新しいものではないし、ドルの覇権に陰りが出るのも必ずしも悪いことではない。世界経済での米国の存在感はすでにかつてほど支配的なものではなくなっており、その米国の金融システムや連邦準備制度理事会(FRB)の国内優先の政策に各国がここまで依存する状況は最善とは言いがたい。
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