小泉氏が「トモダチ作戦被曝者支援」に注いだ心血 日本でほぼ知られていない実態を目の当たりに
原発事故のさなかに被災者の救援活動に従事した米軍兵士たち。知られざる健康被害の実態と、小泉元首相らによる支援活動の一部始終。
──元兵士たちから話を聞いて、どう感じましたか。
サンディエゴのホテルで12人の元兵士たちと会った。1人につき30分から1時間かけてじっくり話を聞いた。もともとは若くて頑健な兵士で、防護服も着ず放射性物質が降り注ぐ中で被災者の救援活動に励んでくれた。
そうした元兵士たちが病にかかって苦しんでいた。話を聞いた元兵士の病状は比較的軽いほうだったが、明らかに体の具合が悪い。これはたいへんなことだと思った。
──彼らはどんなことを求めていましたか。
「日本政府にしてもらいたいことはあるか」と尋ねたところ、これをしてくれ、あれをしてくれと求めることはなかった。病気を患っていながらも、後悔めいたことは何も言わない。ただ自分たちを温かく迎えてくれた、日本という国が世界中でいちばん好きだという。
この言葉を聞いて、お見舞いだけではいけない、この人たちのためにできることはないかと思った。
米国では軍を除隊すると民間の病院で治療を受けねばならない。その医療費は日本とは比べものにならないほど高い。そこで、少しでも治療に役立ててほしいという思いから、救援基金を立ち上げた。
全国行脚で脱原発訴える
──小泉さんは全国を行脚し、募金活動に尽力しました。
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