企業が「フェムテック」を人事戦略に用いる理由 具体的効果が見える一方、費用面でハードルも

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これまで「個人の問題」とされてきた月経や更年期といった女性の健康課題。しかし近年、これらが企業での女性活躍推進を妨げているという認識が高まり、「フェムテック」サービスを取り入れる企業が増えている。

ピルのイメージ写真
女性の働きやすさを向上しようと、低用量ピルの服薬支援制度を導入した企業もある(写真:PIXTA)

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「生理で体調が悪くても、男性が多い職場なので『体調が悪い』としか言えなかった。周りからは『よく風邪をひくな』と思われているのではないかと思い、職場での目線が気になった」

こう吐露するのは、総合商社の丸紅で働く20代の女性だ。以前から生理痛が重いことに悩み、産婦人科で相談したこともある。だが、医師からは副作用などを理由に「薬の服用はおすすめしない」と言われ、不調を我慢してきたという。

経済産業省がフェムテックの導入を後押し

そんな中、丸紅では2021年、低用量ピルの服薬支援制度ができた。あまり知られていないが、低用量ピルは、生理痛や生理前の1週間ほど続く不調(PMS)といった月経困難症を和らげるために使われる薬だ。

女性は制度ができたことをきっかけに、初めてピルを服薬した。その結果、以前ほど生理痛が重くなくなり、経血量も減ったという。仕事を休む心配が減っただけでなく、日常生活の質も大きく改善したため、服薬を継続している。

「月経などに伴う労働損失は、1年で約4900億円」。経済産業省は、女性の健康課題に関する取り組み「フェムテック等サポートサービス実証事業」を行ううえで、このような試算を用いている。企業にとっては、大きく響く数字だろう。

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