「腟ケア」標榜するトンデモ製品が続出する事情 横行する法律違反でフェムテックに普及に影響

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経済産業省も推進する「フェムテック」。しかし展示会などに出展する製品の中には根拠のないものもあり、対応を求める声が強まっている。

フェムテックイベントで配られていたパンフレット
フェムテックのイベントで配られていたパンフレット。女性特有の問題に役立つ商品・サービスであることを打ち出している(記者撮影)

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「不妊予防にはもちろん」「腟が潤う=全身潤う=美肌」

2月、ツイッターでとあるインフルエンサーがエステサロンの体験談を発信した。投稿者は普段から、さまざまなサロンや美容グッズの体験談を投稿しており、現在のフォロワー数は約5万人に上る。

しかし紹介されたエステサロンのサイトでは、不妊予防につながるような説明は見られない。デリケートゾーンの見た目の悩みに向き合うコースが、1回約4万円などとされているが、それはあくまでも肌の保湿など美容を目的とした内容にとどまっている。

投稿には「科学的根拠は?」などのコメントが殺到し、炎上。これに気づいたサロン側はブログで「当サロンは医療機関ではないため(中略)SNS上での不適切なコメントは、事実と無関係」と説明。サロンの経営者は、インフルエンサーに金銭を渡すなどはしていないという。投稿者は数日後に騒動に至ったことを詫び、投稿を削除した。

エステの施術に病気の予防を求める理由

そもそも、エステサロンはあくまでもスキンケアや、リラックスを目的とする「施術」を行う場所で、病気の治療や診断、予防など、医学に基づいて行われる「医療行為」はできない。

医薬品や医療機器として認められていないもので病気の予防・治療効果をうたうことは薬機法(医薬品医療機器等法)で、医師以外が特定の疾患の治療を行うことは医師法で、それぞれ禁じられている。広告などで客観的根拠のない事実を標榜することは、景品表示法に触れる可能性もある。

それにもかかわらず、エステサロンの施術に病気の治癒・予防効果を期待する消費者は少なくない。なぜなら、エステサロンの予約サイトなどでは言葉巧みに、医療行為を連想させるような広告表現が使われているからだ。

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